[00:00.000] 作词 : カンザキイオリ [00:00.020] 作曲 : カンザキイオリ [00:00.040] [00:15.240] 「昨日人を殺したんだ」 [00:18.178] 君はそう言っていた。 [00:20.940] 梅雨時ずぶ濡れのまんま、 [00:23.652] 部屋の前で泣いていた。 [00:25.983] 夏が始まったばかりというのに、 [00:29.404] 君はひどく震えていた。 [00:31.481] そんな話で始まる、あの夏の日の記憶だ。 [00:36.678] [00:55.455] 「殺したのは隣の席の、いつも虐めてくるアイツ [01:00.836] もう嫌になって肩を突き飛ばして [01:03.939] 打ち所が悪かったんだ [01:06.551] もうここには居られないと思うし [01:09.245] どっか遠いとこで死んでくるよ」 [01:11.723] そんな君に僕は言った [01:14.430] 「それじゃ僕も連れてって」 [01:16.763] 財布を持って、ナイフを持って [01:19.843] 携帯ゲームもカバンに詰めて [01:22.528] いらないものは全部壊していこう [01:27.970] あの写真も、あの日記も [01:30.463] 今となっちゃもういらないさ [01:33.214] 人殺しとダメ人間の君と僕の旅だ。 [01:43.231] そして僕らは逃げ出した。 [01:46.385] この狭い狭いこの世界から。 [01:48.905] 家族もクラスの奴らも何もかも全部捨てて君と二人で。 [01:54.538] 遠い遠い誰もいない場所で二人で死のうよ。 [01:59.293] もうこの世界に価値などないよ。 [02:02.150] 人殺しなんてそこら中湧いてるじゃんか。 [02:05.658] 君は何も悪くないよ。君は何も悪くないよ。 [02:10.982] [02:26.430] 結局僕ら誰にも愛されたことなどなかったんだ。 [02:31.560] そんな嫌な共通点で僕らは簡単に信じあってきた。 [02:37.148] 君の手を握った時、微かな震えも既に無くなっていて [02:42.334] 誰にも縛られないで二人線路の上を歩いた。 [02:47.471] 金を盗んで、二人で逃げて、 [02:50.517] どこにも行ける気がしたんだ。 [02:53.184] 今更怖いものは僕らにはなかったんだ。 [02:58.520] 額の汗も、落ちたメガネも [03:01.136] 「今となっちゃどうでもいいさ。 [03:03.610] あぶれ者の小さな逃避行の旅だ」 [03:13.664] いつか夢見た優しくて、誰にも好かれる主人公なら、 [03:19.718] 汚くなった僕たちも見捨てずにちゃんと救ってくれるのかな? [03:25.173] 「そんな夢なら捨てたよ、だって現実を見ろよ。 [03:30.457] シアワセの四文字なんてなかった、 [03:32.987] 今までの人生で思い知ったじゃないか。 [03:36.047] 自分は何も悪くねえと誰もがきっと思ってる」 [03:42.314] [03:57.054] あてもなく彷徨う蝉の群れに、 [03:59.916] 水も無くなり揺れ出す視界に、 [04:02.619] 迫り狂う鬼たちの怒号に、 [04:05.096] バカみたいにはしゃぎあい [04:06.971] ふと君はナイフを取った。 [04:09.438] 「君が今まで傍にいたからここまでこれたんだ。 [04:13.716] だからもういいよ。もういいよ」 [04:16.254] 「死ぬのは私一人でいいよ」 [04:19.103] [04:28.194] そして君は首を切った。 [04:30.353] まるで何かの映画のワンシーンだ。 [04:33.236] 白昼夢を見ている気がした。 [04:35.800] 気づけば僕は捕まって。 [04:38.328] 君がどこにも見つからなくって。 [04:41.070] 君だけがどこにもいなくって。 [04:43.958] そして時は過ぎていった。 [04:46.019] ただ暑い暑い日が過ぎてった。 [04:48.982] 家族もクラスの奴らもいるのに [04:52.004] なぜか君だけはどこにもいない。 [04:54.508] あの夏の日を思い出す。 [04:56.868] 僕は今も今でも歌ってる。 [04:59.537] 君をずっと探しているんだ。 [05:02.212] 君に言いたいことがあるんだ。 [05:05.345] 九月の終わりにくしゃみして [05:07.784] 六月の匂いを繰り返す。 [05:10.173] 君の笑顔は [05:11.742] 君の無邪気さは [05:13.195] 頭の中を飽和している。 [05:15.785] 誰も何も悪くないよ。 [05:18.287] 君は何も悪くはないから [05:21.060] もういいよ。 [05:22.366] 投げ出してしまおう。 [05:23.793] そう言って欲しかったのだろう? [05:26.734] なあ──? [05:28.024]