[00:01.525]物語の結末は、読まない主義なんです。 [00:08.524]現実は退屈だけど、だけど明日は晴れるといいな。 [00:30.025]古本屋で手に取った [00:33.535]幻想的で、きっと少し憧れる銀河の噺。 [00:44.240]何処かで聞いたような台詞、袖を引くようで [00:51.479]返却ついでの本棚、下巻を探す。 [00:58.738]グラウンドを臨む窓際の席は [01:00.735]小雨でも声援飛び交って [01:02.730]五月蝿いから [01:05.480]少し離れてるコピー機の隣 [01:07.978]ちょっとだけ羨ましいから [01:09.986]抱えた本を開く。 [01:15.734]少年はいつか大人になり、 [01:20.170]夢見た日さえ忘れて [01:23.457]ぎゅっと彼の手を引いた [01:26.978]あの娘のことも [01:29.920]少女は何年も待っていた [01:34.424]星をくれる彼の手を――――。 [01:37.921]僕はそっと本を閉じた [01:41.427]「そうだ、夕飯は何にしようか。」 [01:59.605]図書室で手に取った [02:02.883]幻想的で、きっと少し切なくなる銀河の噺。 [02:13.869]非現実なほど逃げ出したくなるよ [02:16.113]愛おしい甘美なフィクションは [02:18.109]麻薬のよう [02:20.811]寝不足だったかな…瞼が重くて [02:23.310]ちょっとだけ、僕は目を閉じた [02:25.060]まどろみのドアを開く。 [03:24.265]『小さい頃から夢見ていた [03:28.016]物語の始まりが [03:31.765]どこにも見当たらないんだ。 [03:35.516]いつまで待っても…』 [03:38.512]気が付けば茜差す校舎 [03:42.271]夕飯の支度もあるし [03:46.019]買い出しをして玄関先 [03:49.519]小包が一つ [03:52.520]差出人不明の…骨董品? [03:56.772]微かに声が聴こえるので [04:00.962]その奥に見える光、覗き込んだ僕は――――。 [04:11.457]"Real is more of a stranger than fiction."